ゲームレビュー:聖剣伝説 VISIONS of MANA

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目次

概要

個人評価

  • ストーリー:3
  • 面白さ:3
  • 快適さ:1
  • グラフィック:4
  • 音楽:3
  • システム:3
  • コスパ:2
  • ボリューム:2

本作プレイ内容

  • プラットフォーム:PS5版
  • プレイ時間:約70時間
  • トロフィー:
  • クリア済み&裏ボスまで倒した状態

他のシリーズ作品プレイ履歴

  • 聖剣伝説2(SFC):クリア済み。あまり覚えていない…
  • 聖剣伝説3(SFC):クリア済み。で一番好きな作品。
  • 聖剣伝説 Legend of Mana(PS):クリア済み。聖剣伝説というよりはゲームとして好き。
  • 聖剣伝説3 TRIALS of MANA(PS4):クリア済み。

レビュー

全体評価

まず新作を出してくれたことが嬉しい。
マナの女神や精霊、フェアリー、フラミーなどのシリーズ共通の世界観が展開されるのはとても安定感がある。
「聖剣伝説らしさ」が随所に感じられて、それだけでも遊ぶ価値はあった。
PS5世代のグラフィックスで、聖剣伝説の世界観を冒険できるというのが本作のもっとも魅力的な部分だと思う。

…というのはシリーズファンの懐古的な感想なのだけど、客観的に見ると一昔どころかかなり古臭い印象を受けた。
グラフィックなどの見た目はそこそこ綺麗になっているだけで、ストーリーもキャラクターも特に魅力を感じなかった。
他のゲームと比べて何か斬新なシステムがあるわけでもない。
良くも悪くも平凡なゲーム。

個人的にはそこそこ楽しめたが、聖剣伝説の世界観が好きかどうかによって大きく評価が分かれると思う。

ストーリー

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よく言えば王道、悪く言えば平凡な感じ。
驚きや感動はほとんど無かったし、「この後どうなるんだろう」というワクワク感も無かった。

「ここが感動するポイント」という制作者の意図は感じるのだけど、そこに至るまでの描写も少なくて今一つ感情移入ができなかった。

主人公に対する所感(ネタばれあり)

ヴァルに人間味を感じなかった。
大切な人間であるヒナが魂石にされたのにも関わらず、その悲しみを乗り越える何かがあるわけではなく「守り人としての役割を果たす」「御子としての役割を果たす」という目的にひたすら向かい続けるのは少し違和感がある。
彼を突き動かすものは何なのかの描写が弱く、感情が読めない。

まだオーリンの方が信念や拘りを感じて、主人公っぽいと思った。

ラスボスに対する所感(ネタばれあり)

ディロフォロスが女神を倒す理由(世界を破壊する理由)が逆恨みすぎる。
女神がセルリアを犠牲にしたならまだしも、全然関係ない物語にも出てきていない誰かにやられたという理由で「こんな世界に価値はない」とか発想が頭おかしい。
数々の困難を乗り越えてまで世界を救おうとする英雄の行動とは思えない…

愛しい人を失って闇落ちするというのはありがちだとは思うけど、「愛する人が死んだので世界を滅ぼします」はただの迷惑な人でしかないという印象。

こちらも、オーリンが「御子が犠牲になる世界を終わらせたい」とかの方が納得感があった。
ラスボスとしては微妙すぎ。

面白さ

キャラクターのクラスや特技のカスタマイズ性が高いのが良かった。
聖剣伝説3では変更できなかったクラスが気軽に変更できるようになったのは良い。
アビリティが自分だけでなく味方全体に影響するものもあるので、パーティの組み合わせもいろいろ試せて楽しい。

アクションも聖剣伝説として正統進化した感じがする。
セイバー系や魔法などで敵の弱点属性をつくことは基本で、そこからクリティカル率や能力アップ、状態異常攻撃など戦闘を有利に進める手段が豊富にあるので戦っていて楽しい。

残念なポイントとしては、せっかくオープンワールドっぽい広いフィールドがあるのにそれが活かせていないところ。
もっと探索したくなる要素が欲しい。
宝箱の位置も全部マップに表示されているが、個人的にはいろいろ探索した結果宝箱を見つけるという体験の方が良かった。
精霊器による移動手段もいろいろあるだけに、もうちょっと探索しがいのあるフィールドにして欲しかった。

快適さ

戦闘はとてもテンポが良く、通常の敵であれば1戦闘あたり10~20秒くらいで終わるのでサクサク進む。
PS5だからか、ロードもそれなりに早くて、マップ移動が多いもののそこまで苦痛にはならなかった。

一番困ったのはエラーでゲーム自体が落ちる頻度の高さ。
ここまで落ちるゲームはPS5では初めて。
ボス戦後のイベント中に落ちたこともあり、流石に勘弁してほしかった。

その他、細かいところで言えば本作は結構不親切さが目立つ。
・武器を買うときに、いまつけている精霊器に対応する武器がどれかが分からない
・エレメントボードメニューで精霊機の変更ができない
・フラミーを呼ぶときにいちいちカットシーンが入る(スキップはできるけど、毎回やるのが面倒)
・挑戦蝶などの時間のカウントダウンが、街でも行われる
・ブースカブーやフラミーでの移動中にメニューが開けない
などなど。
どれも致命的とまではいかないけど、次回作があればできれば改善して欲しいポイント。

グラフィック

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めちゃくちゃ綺麗。
リアル系のゲームが多いなか、しっかりファンタジーっぽい雰囲気が出ている。
草原や雪原、砂漠、火山など、各フィールドもそれぞれの精霊の影響を感じさせるものになっていて、世界観がよく表現されていてとても良い。

細かいところを言うと、髪の毛の表現が雑だったり、キャラクターがカクカクしていたり、建物は基本的に屋内に入れないなど手を抜いていると感じるところはある。
ただ、そこを気にするゲームじゃないという感じもする。

音楽

なぜかあまり心に残らなかった。
聖剣伝説3のBGMはいまだに覚えていて、たまにサウンドトラックを聴くくらい好きなんだけど、今作のBGMでまた聴きたいと思うものが無い。
悪いという意味ではなく、普通。

システム

リングコマンドが足枷になっていると感じた。
ショートカットコマンドを採用してしまったが故に、リングコマンドの存在意義があまりない。
シリーズの特徴なので無くなってほしくはないが、次回作があるとすれば何かしら新しい形に進化させてほしいところ。

同じように、ファストトラベルとブースカブーやフラミーも競合している感じがする。
フィールドを飛び回れるゲームは昨今珍しいので、フラミーの存在は嬉しいのだけど、ファストトラベルの方が便利というジレンマ。
全部ファストトラベルで移動して欲しくないから「同じ大陸内」という制限を設けている気もするけど、それはそれで快適さを損なっている。
ゲームデザインのプロではないのでどうすれば良いのかは分からないけど、なかなか難しい問題だと思う。

コスパ

8,000円くらいするゲームとしては、もう少し作りこんで欲しいという印象。
プレイ時間的なボリュームは十分だけど、サブクエで水増ししているので本質的なところは結構スカスカ。

ボリューム

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コスパのところでも書いたように、サブクエストの水増しが目立った。
特に本作のサブクエストはほとんどの報酬がお金だけど、今作は普通にプレイしていてもルクが余りまくるのでまず報酬に魅力を感じない。

また、「この敵を倒して欲しい」系のクエストも、最初に町に入ったタイミングで受けられるならまだしも、一連のメインイベントが終わってから解放されることが多い。
つまり、もう倒した敵や攻略済みのダンジョンが対象になることが多くて、二度手間感が大きい。

サブクエストによる水増しじゃなくて、フィールドの探索要素とか、アイテムの種類を増やすとか、2週目以降で解放できる特別なエレメントボードとか、そういう要素をもっと増やしてほしかった。

権利表記

© SQUARE ENIX
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